指導者の道
サポサポ
その後、山梨学院大学(以下、山梨学院)のコーチになりましたね。
あれはどういったきっかけですか。
サポサポ
自分が指導者になることについてはどのように感じていましたか。
須藤さん
実は藤枝にいた時にも、そういったことをやらせてもらえてて、指導もやってみたいと思ってた。
山梨学院ではBチームを任せてもらえたんで、自分の色を出せるなと思って色々やったよ。
そして、指導をしてみると自分になかったものを欲する部分が出てくることも分かった。
サポサポ
現役時代に出来なかった事を、出来るようにしてあげたいってことですか。
須藤さん
そうそう。だからすごく細かく教えて上げたね。
個人で言えば、体の向きとか、ボールの置き方とか、そういった細かいところ。
全体で言えば、FWはしっかりボールをキープすることを覚えさせて、 DFには連動した動きを要求して。
もちろん、最初はうまくいかないけどね。
少しずつ出来たり出来なかったりを繰り返していく。
サポサポ
相手は大学生でしたが、指導は素直に聞いてくれましたか 。
須藤さん
そこはね、ちゃんと正しいことを話せば聞くし、ついてきてくれるよ。
逆に少しでも間違ったり本気で言ってないなって見えてしまうコーチだと全然聞かなくなる。
そういうところのアンテナは、それなりの年齢だけあって長けてるよね。
だから、
松岡修造さんじゃないけど、褒めるときも怒るときも本気でやらないとダメ。
それに、ぶれちゃダメだね。
サポサポ
大学生ともなるとそれなりに人生経験がありますもんね。
須藤さん
逆に言うとサッカー観も出来てしまってる。
それが間違っていれば、壊していくことも必要になる。
サポサポ
なるほど、良くも悪くも形ができているんですね。
須藤さん
そうそう。それに間違ったまま形になている部分も多いと感じた。
やっぱり小学生の年代で、しっかり基礎をつくることは大切だと思ったよ。
体のバランスや判断力っていう部分は、その頃から培っていくべき。
サポサポ
最近は大学のサッカー部というのは、プレイヤーのキャリアとしてどういう位置づけなんでしょうか。
トップに上がれなかった人という感じでもないですよね。
須藤さん
今は違うね。
むしろ、体が出来ていない18歳のまま入るより、大学を経由して体を作ってプロに入る方が良いって場合もある。
実際、それで代表になっている武藤とか長友みたいな優秀な選手が出てきているし。
大学にも良い指導者も増えてきたしね。
サポサポ
指導者にとっても大学はキャリアのひとつと言えるのかもしれないですね。
解説者やコメンテーターとして
サポサポ
指導者をしながら、解説者もされていらっしゃいますね。
須藤さん
解説者は、自分がしっかり理解して、それを言葉にしなきゃならないからすごく勉強になる。
サポサポ
リアルタイムで判断する必要がありますよね。
須藤さん
そう。
変に浅はかな答えを出したら、分かってねぇなって思われることもあるだろうし。
サッカーの知識、判断力、分かりやすい話し方・・・色々なものが要求される。
サポサポ
そういう意味では自分の考えが整理されるという面もあるんでしょうか。
須藤さん
そうだね、指導者と解説者の両方をやるのは、とても良いことだと思う。
解説者で得たものは、指導に活かせるし、逆に現場で得た感覚は、解説者やコメンテーターとして使えるものだからね。
サポサポ
いずれも両方の目線が要求されるんですね。
サポサポ
テレビで解説をすることになったきっかけは何だったんでしょうか。
須藤さん
現役をやめてすぐに山梨放送の酒井アナから直接オファーされたよ。
どうして俺なんですかって聞いたんだけど、酒井アナが現役時代の受け答えを覚えてて、この人ならコメンテーターを出来るって思ったんだって。
サポサポ
試合後のインタビューも疎かにしてはいけないですね。
たまに勘違いされますが、第88回全国高校サッカー選手権初出場初優勝したのは山梨学院付属高校サッカー部です。
須藤さんが所属したのは山梨学院大学サッカー部です。
駅伝で有名な陸上部も山梨学院大学です。
ヴァンフォーレ甲府関連では橋爪勇樹さんがOBです。また、唐澤大夢さんがヴァンフォーレ甲府を引退した後に入学してサッカー部に所属しています。