日本と海外
太郎さん
ただ、インド自体にはもう一回行ってみたいとは思います。
太郎さん
日本人からすると生きている感じがする国ですよね。それに頑張れば評価されるという点は大きいですよね。
年俸の上がり方がすごかったり、他国のリーグへ行く足がかりになったりと、夢がある国ではありました。
サポサポ
良くも悪くも正直な国ですね。結果を出したら契約してくれるけど、お金は払いたくないから払わないみたいな。
太郎さん
そうですね。あそこでは信じられないようなことが色々ありましたね。
ただ、インドに限らず海外の人は考え方が基本的にシンプルですよね。
サポサポ
日本人が難しく考えすぎる部分もあるんでしょうか。
太郎さん
すごく気を使いますもんね。それがストライカーが生まれにくい原因かもしれないと思っています。
サポサポ
「これを外したら」とネガティブに考える人じゃない方が、ストライカーに向いているということでしょうか。
太郎さん
それもありますし、ゴールを決めた時の反応がクールな人が多いんですよね。
海外だったら、決めれば良かったぞって言われ、外せばなんでと言われます。
それが、日本だと外した時しか色々言われないという面があります。
結果として、リスクを犯してゴールを狙うより、通りやすいパスを選択して「良いパスだったぞ」と言われる方を選んでしまう人も出てくると思います。
サポサポ
確かに劇的なゴールやアクロバティックなゴールはともかく、普通の得点だとそれほど話題にされない気がします。
太郎さん
もっと自然にそこを褒めていくことは大切だと思います。ゴールが賞賛される状況が必要ですよね。
海外だと、ボールを持った味方の選手は、チャンスがあれば絶対にシュートを打つっていうのが伝わってくるんですよ。
だから、そのこぼれ球、セカンドボールへ備えた動きをすればいいんですよね。
それに対して日本だとパスが来てしまうかもしれないということで、どちらにも対応しなければいけなくなってしまいます。
サポサポ
確かにやることが分かっている場合と分かっていない場合では、対応に差がでてしまいますね。
太郎さん
当時、僕がいた頃の甲府はそれが良い形になっていました。ボールホルダーのシュート意識がすごく高いから、他の選手はこぼれ球に詰めていく動きをすれば良かったんです。
バレーが持てば須藤さんと僕が詰めていく、須藤さんが持てばバレーと僕が詰めていくといった形で。
練習の時にも、バレーが持つと須藤さんと同じ位置に行くことがあって「お前もここ来るよね」「だよねー」「分かってるよね―」みたいな話をしていました(笑)
これも、バレーが絶対に打つってわかってるからこそ出来ることですよね。
サポサポ
個々の意識なんですが、それが同じ方向を向いていることで統一された動きになるってことですね。
太郎さん
気を使う文化である日本だと、その部分はできていない面ではないかと思います。
結果としてセカンドボールというチャンスになる形がひとつ減ってしまうんですよね。
パスサッカーをしているとそういう形に陥りがちですね。